21世紀は「予測の時代」といわれ、その基盤を担う計算科学の重要性は世界中で指摘されています。計算科学は理論を基底としつつも、実験計測データに裏打ちされることで、実験と理論に並び、今後の科学技術の発展に欠かせないものです。
「次世代生命体統合シミュレーションソフトウェアの研究開発」プログラムは、2006年10月より、理化学研究所を中核拠点として始まりました。基礎原理(方程式・モデル)に基づいて現象に迫る「解析的アプローチ」と大量の実験データから未知の経路と法則に迫る「データ駆動型アプローチ」により、ミクロからマクロまで、異なるスケールの研究と実験データを統合的かつ有機的に結びつけ、2012年に完成する10ペタFlops級の計算性能を有する「次世代スーパーコンピュータ」の性能を最大限に発揮するペタフロップス・スケールのシミュレーションソフトウェアの開発に挑戦しています。これらの取り組みを通じて、生命の神秘に迫るとともに、医薬品や医療機器の開発に役立て、ライフサイエンスの分野に計算科学という新たな方法論を確立し、ブレークスルーをもたらす決意です。
今般、このプロジェクトの成果を広く発信するために、ニューズレターを刊行することに致しました。このニューズレターでは、各プログラムで得られた成果を中心に、みなさまにホットな話題をお伝えしていきたいと考えています。
BioSupercomputing Newsletter Vol.1