2009年12月24日、次世代スーパーコンピュータ開発実施本部において、次世代生命体統合シミュレーションソフトウェアの研究開発(以下、ISLiM)に参加している研究者向けに、現在開発中の次世代スーパーコンピュータ(以下、「次世代スパコン」)の諸元や次世代スパコンで効率の良い実行性能を出すためのアプリケーション開発の要点とチェックポイントについて、講習会が開かれました。
ISLiMでは次世代スパコンの性能をフルに活用するソフトウェアの開発をしていますが、次世代スパコンも現在開発中であり、開発中のソフトウェアを検証する環境が無いのが現実です。そのため、開発中の次世代スパコンの情報をもとに、ソフトウェアの開発をすることになります。
今回の参加者はおよそ70名、会議室に入りきらないため2回に分けて開催されました。講習会では、開発実施本部より次世代スパコンの構成、特徴、仕様が説明され、その後、プログラミングを行う上で必要となる情報、特に性能を引き出すために、どのような点について注意して開発を行えばよいのかなどについて説明がありました。
質疑応答では、整備されるライブラリ、利用できる言語・コンパイラ、開発支援ソフトなどについても質疑応答がなされ、ソフトウェア開発について具体的なイメージが持てたと思います。また、利用できる開発言語についてはISLiM側からの要望も出され、ハードウェア開発側で検討することになりました。
ソフトウェア開発者とハードウェア開発者が具体的な事項について意見交換ができた講習会でした。今後も積極的に連携を深め、次世代スパコンの性能をフルに引き出すソフトウェアの開発を行っていきます。
研究の進捗状況を報告すると共に、海外からも第一線で研究をしている方々を招待し、それぞれの分野で講演をしていただきます。
●Keynote lecture
High performance and distributed computing in biomedical research
Prof. Peter Coveney
Centre for Computational Science, Department of Chemistry
University College London
●詳細はこちらを参照してください。
「次世代生命体統合シミュレーション研究開発」のロゴマークが決まりました。このデザインは「ゲノムを抽象化したイメージを、人体のシルエットのイメージと重ね合わせ、人体を解析していくというプロジェクト」を表現しています。また、略称として ISLiM と表示しましたが、2番目のi を小文字にし、人体をイメージしましたが、いかがでしょうか。読み方は“アイ・スリム”です。今後、印刷物やWebページなどでこのロゴマークを活用していきます。
BioSupercomputing Newsletter Vol.2