理化学研究所 次世代計算科学研究開発プログラム
田村 栄悦
「次世代生命体統合シミュレーションソフトウェアの研究開発プログラ ム(略称ISLiM)」では、2006年10月のプロジェクト開始以来スーパー コンピュータ「京」をターゲットにしたライフサイエンス分野のソフト ウェアの研究開発―ライフサイエンスのグランドチャレンジ―への取り 組みを、分子スケール、細胞スケール、臓器全身スケール、脳神経系、デー タ解析融合、および生命体基盤ソフトウェアに渡って包括的におこなっ てまいりましたが、2012年度末にプログラム終了を迎えます。
そこで、これまでの研究開発のトピックスを紹介すると共に、国際的な研究交流をさらに深めるため海外から7名のモデリングおよびシミュレーションで国際的に活躍している著名な研究者 :
医薬分野 - Sandra R. B. Allerheiligen(Merck)
脳科学分野 - Sten Grillner(Karolinska Institutet)
細胞分野 - Ion I. Moraru(University of Connecticut Health Center)
医学分野 - Grace Peng(National Institute of Health)
臓器分野 - Aleksander Popel(Johns Hopkins University)
分子分野 - Karissa Sanbonmatsu(Los Alamos NationalLaboratory)
分子分野 - Ruhong Zhou(IBM T.J. Watson Research Center)
を講演者にお招きし、茅幸二プログラム・ディレクターのオープニング・スピーチを皮切りに、キーノート講演者2名、招待講演者7名、ISLiM講演者14名による、「ISLiM 国際シンポジウム: 4th Biosupercomputing Symposium」が2012年12月3日~5日の三日間の日程で東京国際フォーラム ホールD7を会場に開催されました。
生命体の多岐にわたるマルチスケール・マルチフィジックス・シミュレーションを対象にした英語によるシンポジウムのため、参加へのハードルがやや高いかもしれないという懸念もありましたが、結果は145名(事前登録者数:134名)という大勢のみなさまの参加を得て好評裏に終えることができました。
シンポジウム後、海外からの招待講演者からは、
といったシンポジウムを高く評価する多くのフィードバックをいただきました。
さらに、三日間の講演の合間、前後などには、招待講演者とISLiMチームのメンバーとのコミュニケーションも行われ、ISLiMの膨大な活動とその成果をこの分野の海外の有力研究者に示し、国際的な評価につなげるための良い機会ともなりました。
なおシンポジウムの講演のProceedings はWebからダウンロードできます(URL:http://www.csrp.riken.jp/4thbscs/program.html)
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BioSupercomputing Newsletter Vol.8